「毎回、新規のお客様を探すのが大変…」
「売上がなかなか安定しない…」
個人事業主として活動していると、このような悩みはつきものです。この記事では、その場限りの集客から一歩進んで、安定したビジネスを築くための「資産」となる考え方をご紹介します。
実は、マーケティング活動は「見込み顧客のリストをどれだけ集められるか」というゲームに似ています。この考え方は、企業のマーケターにとっては常識かもしれませんが、個人で奮闘されている方には、まだ馴染みがないかもしれません。
この記事を読めば、ビジネスを安定させるための「ハウスリスト」という有効な手段について、その本質と具体的な使い方を理解できます。
マーケティングの要「ハウスリスト」とは?
ハウスリストとは、あなたがこれまでの活動を通じて集めた、見込み顧客や既存顧客の情報(連絡先)をまとめたリストのことです。簡単に言えば、「未来のお客様リスト」であり、あなたのビジネス上の資産です。
「リストなんて、大企業がやることでは?」と思うかもしれません。しかし、顧客一人ひとりとの信頼関係が特に重要な個人事業主にとって、ハウスリストはビジネスの土台となる重要なものです。なぜなら、一度きりの関係で終わらせず、継続的にあなたのファンでいてもらうための、最も効果的なツールだからです。
なぜハウスリストはそんなに重要なのか?【2つの理由】
ハウスリストがなぜこれほどまでに重要視されるのか。それには、大きく2つの理由があります。
理由①:ゴールまでの中間地点になるから
お客様があなたのことや商品をよく知らない段階で、いきなり購入を促すのは非常に難しいものです。
そこで重要になるのが、購入というゴールまでの中間地点を設けることです。例えば、「高額なコンサルティングの申し込み」よりも、まずは「無料のメールマガジン登録」のように、心理的なハードルが低い選択肢を用意することで、お客様は気軽に関わりを持つことができます。
このように、まずは「リストに登録してもらう」という低いハードルのコンバージョン(成果)を設定することで、顧客は気軽に関わりを持つことができます。ハウスリストは、まだあなたのサービスに詳しくない人を、将来のお客様へと導くための最初の関門なのです。
理由②:顧客をグループ分け(セグメント化)できるから
あなたのサービスや商品をまだ知らない人と、ある程度知っていて興味を持ってくれている人。この両者に、同じメッセージは響くでしょうか?きっと、それぞれに最適なメッセージがあるはずです。
ハウスリストを持つ大きなメリットは、この「ある程度知っていて興味を持ってくれている人」だけに向けて最適なメッセージを送れるようになる点にあります。
ブログやSNSでは不特定多数に向けた発信しかできませんが、ハウスリストにいる人たちには、より具体的な案内や一歩踏み込んだ情報を提供できます。このように、相手によってメッセージを送り分けること(セグメント化)で、マーケティングはぐっとやりやすくなり、効果も高まります。
ハウスリストの具体的な活用方法
では、集めたハウスリストをどう活用すれば良いのでしょうか。代表的なツールは「メールマガジン(メルマガ)」と「LINE公式アカウント」です。そして、それぞれに2つの基本的な配信方法があります。
ステップ配信(シナリオ配信)
リストに登録してくれた人に対して、あらかじめ用意しておいた複数のメッセージを、決められた順番で自動的に配信する手法です。例えば、「1日目は自己紹介、3日目はサービスのこだわり、5日目は利用者の声…」といった形で、時間をかけてあなたのことやサービスの価値を伝え、信頼関係をじっくりと築くのに最適です。
ブロード配信(一斉配信)
伝えたい情報を、あなたの好きなタイミングでリスト全体に一斉に配信する手法です。新サービスの告知、ブログの更新、限定キャンペーンの案内など、タイムリーな情報を届けるのに役立ちます。
この2つは、どちらか一方だけ行うのではなく、両方を組み合わせるのが王道です。ステップ配信でファンになってもらいつつ、ブロード配信で新鮮な情報を届けることで、顧客との関係をより強固なものにしていきます。
何のために配信するのか?目的を忘れない
ここで一つ、重要なポイントがあります。それは、メルマガやLINEをただ配信するだけでは意味がないということです。常に「何のために送るのか?」という目的を意識してください。
その目的とは、読者に「次のステップ」へ進んでもらうことです。
- 詳しい資料を請求してもらう
- 無料相談に申し込んでもらう
- 商品やサービスを購入してもらう
など、あなたが最終的に望む行動へとつなげるために、メッセージは存在します。「このメッセージを読んだ相手に、どう行動してほしいか?」を常に考えながら、コンテンツを作成していきましょう。
始める上での注意点:LINEだけに頼らない
手軽さから、最近はLINE公式アカウントでリストを集めるのが主流になっています。しかし、これには一つ注意点があります。それは、LINEはプラットフォームの都合で、予期せぬアカウント停止のリスクが常に存在するということです。もしアカウントが停止されてしまうと、あなたが苦労して集めた大切なリストは、一瞬にして全て失われてしまいます。
このリスクを避けるため、必ずLINEと並行して「メールアドレス」も取得しておくことを強くお勧めします。メールアドレスは特定のプラットフォームに依存しない、あなた自身の資産となります。
まとめ:ハウスリストは、あなたのビジネスを守り育てる資産
ハウスリストという概念を知り、それを活用することで、個人事業主のマーケティングは大きく変わります。
それは、毎回ゼロから顧客を探す集客方法から、継続的に売上を生み出す「仕組み」作りへと移行することを意味します。これまでの「待ち」の集客から、「育てる」マーケティングへ。ハウスリストという資産を築くことは、そのための最も確実な第一歩です。
もし、「何から手をつけていいか分からない」「ハウスリスト集めに苦戦している」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのビジネスに合った方法を一緒に考える、無料カウンセリングも実施しています。